文庫 講談社 1984/01 ¥490
<内容>
コインロッカーを胎内としてこの世に生まれ出たキクとハシ。罪の子ふたりの心に渦まく愛と憎悪。廃墟と化した東京の上空に、華やかなステージに、そして南海の暗い海底に強烈な破壊のエネルギーがほとばしる。巨大な鰐を飼う美少女アネモネの願いは?鮮烈なイメージで織りなす近未来小説の大きな序章。

<感想>
腐女子的目線で感想を言えば、
アネモネという存在はいらなかった・・・・orz
結局、最終的に狂ってしまったハシをキクが「待ってろよ!」てな感じでハシを迎えに行く所で終わりましたが、その横にアネモネはいらんのではないかと思った。
腐女子感想おわり。

で、真面目感想は、予想以上に読む側が鬱になるストーリー展開でした。
よく言えば、それだけのめり込めたと言う事です。
ハシが東京編に入ってから痛々しい表現が多くてこの年で読んでも衝撃的でした。
単行本 徳間書店 2005/05/21 ¥2,625
<内容>
坂東武者の家に生まれた十六歳の草十郎は、腕は立つものの人とまじわることが苦手で、一人野山で笛を吹くことが多かった。平安末期、平治の乱に源氏方として加わり、源氏の御曹司、義平を将として慕ったのもつかの間、敗走し京から落ち延びる途中で、草十郎は義平の弟、幼い源頼朝を助けて、一行から脱落する。そして草十郎が再び京に足を踏み入れた時には、義平は、獄門に首をさらされていた。絶望したそのとき、草十郎は、六条河原で死者の魂鎮めの舞を舞う少女、糸世に目を奪われる。彼女の舞には、不思議な力があった。引き寄せられるように、自分も笛を吹き始める草十郎。舞と笛は初めて出会い、光り輝く花吹雪がそそぎ、二人は互いに惹かれあう。だが、その場に、死者の魂を送り生者の運命をも変えうる強大な力が生じたことを、真に理解したのは糸世だけだった。ともに生きられる道をさぐる草十郎と糸世。二人の特異な力に気づき、自分の寿命を延ばすために利用しようとする時の上皇後白河。一方草十郎は、自分には笛の力だけでなく、「鳥の王」と言葉を交わすことができる異能が備わっていることに気づく…。平安末期を舞台に、特異な芸能の力を持つ少年と少女の恋を描く、人気作家の最新作。

<感想>
あらすじ長っ!(笑)
勾玉三部作ファンにはたまらない一冊です♪
鳥彦と草十の掛け合いが好きでした。信頼しあう心は種族は違っても生まれるものですし、お互いの「鳥」「人間」という属性を生かした展開にドキドキハラハラでした。
とは言っても、勾玉シリーズよりは少し動きがありませんでしたが、満足な内容です。
単行本 徳間書店 2006/02 ¥1,575

<内容>
正義の味方・赤頭巾侍。いささか直情径行の気味あり。悪漢を切り捨てた後に苦しまぎれの“こじつけ”推理が炸裂!!しかも毎回。早トチリの剣豪の活躍を描く、異色の時代ミステリー。

<感想>
主人公の名前(一太郎)と時代小説の二点に惹かれて買った小説。
文章と言い、内容といい今まで読んできた作家よりやや稚拙な感じに見えたのですが・・・検索をかけてみると結構な数の本を執筆されているので、これはただの文章の向き不向きなのでしょうか。
起承転結はいつも同じパターンです。
雑誌に一話ずつ掲載されている時点で読むには本当に楽しめる話だと思うのですが、一気に読むと少しダレます。
小田様の修道設定は結局何の為にあったのか、その他もろもろ「何で?」と思うところがしばしば。
小休止向けなのではないかと。本腰入れて読むものでは無いように思います。
東京創元社 2005/10 ¥735
内容
小学校5年生の及川衛は、自分の誕生祝いを買いに行く途中で、アンティークショップの店先にあった安楽椅子に心惹かれる。思い切って購入し、自宅へ運んでみると、なんとその椅子は口をきき、不思議な能力をもっていた。アーチーと名付けられた椅子は、シャーロック・ホームズばりの推理をする、正真正銘の安楽椅子探偵だったのだ。松尾由美が贈る、ファンタジー溢れる連作短編集。
光文社 2005/08/20 ¥900
内容
今多コンツェルンの広報室に勤める杉村三郎は、義父でありコンツェルンの会長でもある今多義親からある依頼を受けた。それは、会長の専属運転手だった梶田信夫の娘たちが、父についての本を書きたいらしいから、相談にのってほしいというものだった。梶田は、石川町のマンション前で自転車に撥ねられ、頭を強く打って亡くなった。犯人はまだ捕まっていない。依頼を受けて、梶田の過去を辿りはじめた杉村が知った事実とは…。

感想
久々に中年男性が主人公の小説を読みました(苦笑
宮部作品は少年が専ら頑張るお話ばかり読んでいたので、この本はどうも落ち着いていているイメージを持ちました。
結末も、「ええっ」と言う感じではあったのですが最終的には
「ふーん」で終わりました。
非現実的(ファンタジー)小説ばかり読んだ後に読んでしまったのが失敗だったか・・・
徳間書店 2005/11/18 ¥1,200
内容
「東から勾玉を持った天女が来て、滅びゆく都を救ってくれる」病んだ兄の夢語りに、胸を痛める皇女苑上。だが「東」の国坂東で、いにしえから伝わる明の勾玉を輝かせたのは、蝦夷の巫女の血を引く少年阿高だった。物の怪の跳梁する都へと足を踏み入れた阿高と仲間たち。そして苑上と阿高が出会ったとき、神代から伝わる最後の「力」は…?“闇”の末裔の少年と“輝”の末裔の皇女が織りなす、「最後の勾玉」の物語。
徳間書店 2005/10/21 ¥900
内容
嬰の勾玉の主・菅流に助けられ、各地で勾玉を守っていた“橘”の一族から次々に勾玉を譲り受けた遠子は、ついに嬰・生・暗・顕の四つの勾玉を連ねた、なにものにも死をもたらすという“玉の御統”の主となった。だが、剣を手にした小倶那と再会したとき、遠子の身に起こったこととは…?ヤマトタケル伝説を下敷きに織りあげられた壮大なファンタジー、いよいよ最高潮。
徳間書店 2005/10/21 ¥900

内容
双子のように育った遠子と小倶那。だが小倶那は“大蛇の剣”の主となり、勾玉を守る遠子の郷を焼き滅ぼしてしまう。「小倶那はタケルじゃ。忌むべきものじゃ。剣が発動するかぎり、豊葦原のさだめはゆがみ続ける…」大巫女の託宣に、遠子がかためた決意とは…?ヤマトタケル伝説を下敷きに織りあげられた、壮大なファンタジーが幕を開ける。

感想
勾玉シリーズ第二段。
勾玉シリーズの主人公の中で、遠子が一番好きです。
小倶那を想うからこそ、大人にならない。
そんな彼女の意思が儚くて、強かで好感を持ちました。
徳間書店 2005/09/21 ¥1,000
内容
輝の大御神の双子の御子と、闇の氏族とが烈しく争う戦乱の世に、闇の巫女姫と生まれながら、光を愛する少女狭也。輝の宮の神殿に縛められ、地底の女神の夢を見ていた、「剣の主」稚羽矢との出会いが、狭也を不思議な運命へと導く…神々が地上を歩いていた古代の日本を舞台に、絢爛豪華に織りあげられた、人気沸騰のファンタジー。

感想
前々から存在は知っていたのですが、私が勾玉シリーズに初めて触れたのは2004年夏に公演された劇団ひまわりのミュージカルでした。
大ファンであるザバダックが音楽提供をしている事が切っ掛けで見たのですが、児童文学という枠組みにはとても収まりきらない壮大なスケールなストーリーにただ唖然としてしまい、内容をあまり理解できずにミュージカルを見終え、とても悔しい思いをしました。
今回、新書版が発売されたのを切っ掛けに漸く読んだのですが・・・
あのボリュームのあるページを全く気にさせない内容展開に、すっかり虜になってしまいました。
読み終えた後、ザバダックの「空の色」を改めて聞くと、まったく印象が変わりました。やはりこのアルバムは本とセットにして初めて完成されるものだったのですねー
講談社 2005/08/23 ¥998
内容
この世のものではないモノたちと、世にも稀な妖怪アパートで共同生活を始め、2年目をむかえた高校2年生の夕士。魔道士の修行をしつつも「普通」の高校生として過ごす平和な日常に、怪しい影が…。学校の怪談?講堂の小部屋にオバケが出るという噂が。確かめに行った夕士と田代、妖魔フールがそこで目にしたものは…。

感想
これが最終巻という解釈をして良いのかな?
夕士君の逞しい意思もそうですが、その夕士を取り巻く
皆の言葉には何か心打たれるものがあります。
説得力があるのですよね。作者のメッセージが良く伝わってきます。
講談社 2004/10 ¥998

この世のものではないモノたちと、世にも稀な妖怪アパートで共同生活を始め、2年目をむかえた高校2年生の夕士。魔道士の修行をしつつも「普通」の高校生として過ごす平和な日常に、怪しい影が…。学校の怪談?講堂の小部屋にオバケが出るという噂が。確かめに行った夕士と田代、妖魔フールがそこで目にしたものは…。


妖怪アパート三巻目です。
NO.6でハラハラした後に、この本を読むと心が安らぎます(笑)
相変わらず、夕士と長谷は仲良しです。
こういう男同士の友情って憧れるものがあります。
香月 日輪 講談社 2004/03 ¥998

「なんなりとご命令を、ご主人様」封印の解かれた魔道書から現れる22匹の妖魔たち。自らの秘めた力に気づいた夕士と親友・長谷。運命の幕あけ。
香月 日輪 講談社 2003/10 ¥998

夕士が高校入学と同時に始めた、あこがれの下宿生活。幼い頃に両親を事故で亡くしたため、早く独り立ちをするのが彼の夢。ところがそこには、ちょっと変わった、しかし人情味あふれる“住人たち”が暮らしていた…。

No.6 (#4)

2005年8月29日 読書
あさのあつこ 講談社 2005/08/23 ¥998

何も知らなかったのは、おれのほうなのか。あの眼、あの動き――殺られる……。紫苑、あんた、何者なんだ?
「NO.6」の治安局員に拉致された沙布を救うため、紫苑とネズミはエリート高官から内部情報を聞き出す。聖都市で極秘裏に進められる恐るべき計画とは何か?そしてついに「人狩り」が決行され、囚われの身となった2人は矯正施設の内部へと入っていく――。

おまけのこ

2005年8月24日 読書
畠中 恵 新潮社 2005/08/19 ¥1,365
<内容>
鳴家(やなり)が迷子? そのうえ若だんなが吉原の娘と駆け落ち?そりゃ大変だっ!摩訶不思議な妖(あやかし)たちに守られながら、今日も元気に(?)寝込んでいる日本橋大店の若旦那・一太郎に持ち込まれるは、お江戸を騒がす難事件? 親友・栄吉との大喧嘩あり、「屏風のぞき」の人生相談あり、小さな一太郎の大冒険ありと、妖怪人情推理帖は、今回もおもしろさてんこ盛り。お待ちかね、「しゃばけ」シリーズ第四弾!

夏雲あがれ(上)

2005年8月23日 読書
文庫 宮本 昌孝 集英社 2005/08/19 ¥630

<内容>
竹馬の友たち、それぞれの旅立ち。陰謀の舞台は、東海の小藩から江戸へ。御家の一大事に、若き剣士たちが立ち上がる。一途に、どこまでも颯爽と。きらめく青春の光、爽快な時代小説。
ISBN:4062750155 講談社 2005/02 ¥400

一学期の終業式の日、ぼくは謎の同級生、栗田に「階段落ち」の勝負で負けた。ケガをしたうえ、夏休みのプール掃除の罰まで下された。よりによって、あの栗田とふたりきりで…。サイテーの夏がはじまった。友情、家族、社会などを少年の目線で描いた、児童文学界注目の著者、珠玉のデビュー作を文庫化。第30回日本児童文学者協会新人賞第26回児童文芸新人賞ダブル受賞作。

ど児童文学。最近は児童文学と一言で言ってもNO.6のように複雑な本もあるので、この小説は割と小学生時代を思い出しながら読む事が出来たかなぁと。
可愛いお話でしたよ。さりげなく、お兄ちゃんと主人公の微妙な人間関係がさほど重くも無く書かれていた部分は好みです。
ISBN:4101253323 新潮社 2001/07 ¥420
<内容>
中学に進んでまもなく、どうしても学校へ足が向かなくなった少女まいは、季節が初夏へと移り変るひと月あまりを、西の魔女のもとで過した。西の魔女ことママのママ、つまり大好きなおばあちゃんから、まいは魔女の手ほどきを受けるのだが、魔女修行の肝心かなめは、何でも自分で決める、ということだった。喜びも希望も、もちろん幸せも…。その後のまいの物語「渡りの一日」併録。

<感想>
書店のポップには「ラストに号泣」と書いてあったのですが、何故か私は泣けなかった一冊。
きっと映像にしたら号泣してしまうんだろうなーと思う内容ですが。
温かい内容ではありますが、少し展開に退屈する所もあったのが残念。
<内容>
毎年、九月末になると「白河庭園」で行われる、虫聞きの会。もう二十年近くも続いているという、そんな風流な催しに、僕が行く気になったのは、一にも二にもクドウさんのためだった。毎年家族で訪れているというクドウさんと偶然を装って会うはずだった。それなのに…。―殺されたのはクドウさんの従姉だった。事件は思いがけない方向に進んでいき無責任な噂があとを絶たない。僕は親友の島崎と真相究明にのりだした。大好きな彼女は僕が守る。

夏のこどもたち

2005年7月19日 読書
川島 誠 角川書店 2005/06/25 ¥460
<内容>
朽木元。中学三年生。五教科オール10で音楽と美術も9か10のちょっとした優等生。だけど、ぼくには左目がない―。世の中を冷めた目で見る少年が、突然、学校一の問題児と一緒に校則委員になるように、担任教師から指名されて…。クールで強烈な青春を描いた日本版『キャッチャー・イン・ザ・ライ』ともいうべき表題作に、単行本未収録短編「インステップ」ほか2本を収録。多くの少年たちに衝撃を与えた傑作が待望の文庫化。

<感想>
好き嫌いがはっきりと分かれる小説。
私は駄目な方でした。短編集と言い、表題作にもなっている夏のこどもたちと言い、いまいちお話にのめりこむ事が出来なかったのが残念。
結局何が言いたかったのか、オチも微妙。
高橋がもっと活躍すればよかったのになぁ。

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