太田 忠司 徳間書店 ¥816
<内容>
新星中学飼育部の遠島寺美樹は、体調を崩した先輩に代わり金糸雀の世話をするため早出した。だが禽舎には一羽も見あたらず、扉の閂はかかったまま。美樹が疑われていることを知った親友の狩野俊介は、事件を調べ始める。好評シリーズ連作集。
<感想>
えっ何でまた画像でなくなっちゃった?(;´Д`)
俊介の学校を中心としたお話です。学校生活のことなので、勿論野上さんは一切出てきません。読み終わった後、野上さんが恋しくなってしまいました。やはり狩野俊介シリーズには野上さんがいなくっちゃ。
大人たちの中に居る時は生き生きとしているのに、同世代の子供達の輪に入ると一転して大人しくなる俊介。それをもどかしく思う美樹。今回の小説を読んで、美樹への見方が少し変わりました。何と言っても先輩に向かって「あんた・・・!」ですからね。太田氏の女キャラは比較的、バカ丁寧に女言葉を使うパターンが多いのですが、その中でも、その中だかこそ美樹の「あんた」発言は中々男らしさを感じました。すげーよ美樹。
正直言って、今回の小説は全部読みきってもあまり達成感はありませんでした。まぁ、すっきりしなかったというのが正確な言い方ですが。逆にもやもやが残ってしまったと言うか。
今までの事件でも、俊介は同じ人間が成す非道な行為に胸を痛めたり傷ついたりしてきました。しかし、それは探偵になるための、これから大人になるための経験として俊介の中に吸収されて行きました。だからこそ2作目、3作目と読者側から見ても俊介の驚くべき急成長ぶりには目を見張るものがあり、嬉々と感じるものがあったはずです。(私だけ?)
ですが、今回の学校生活を中心とした話は、成長するための経験以上に、俊介の中に深い傷を負わせてしまった部分があまりにも多すぎるのではないかと思いました。読んでいて、こちら側も胸がズキズキしてしまうシーンが沢山ありました。
正直言いますと(二度目)、個人的に松永先生があまり好きではありません。教師としては、キャラとしては「良い」人物として確立されているのでしょうが、どうしてもあの言動に許せない部分が多々あるのですよね。俊介のいつも横に居る大人が野上さんだから、という事もあるのでしょうが、必要以上に俊介に傷を負わせているような気がして少し苛々しました。でも嫌いではないですよ。基本的に俊介シリーズに嫌いなキャラはいませんから。
小学校で、事件を解決してしまった事によって虐めにあっていたという悲惨な過去を持ちながらも、尚探偵という職業を目指すのは、石神先生や野上さんに強い憧れと希望を感じたからでしょうね。でも、今思えば野上さんに里親として引き取ってもらって良かったのはないかと思います。
あのまま、前に住んでいた地域の中学に入学したら、数人か同じ小学校に通っていた生徒が居るわけですし、虐めに再び会う可能性も無いわけはないですし。今の中学でも孤立はしていますが、美樹や久野君という親友が居るだけでも随分な心の支えになってるのではないかと。そう思うと、美樹ちゃんの行動にいちいち「ムキーッ!」となってしまった自分に反省です(´ヘ`;)ごめんよ・・・。
だからこそ、ラストの「秋雨」は印象に残る話でした。
俊介が精神的に成長した決定的な瞬間を見れたような気がして、でもこの話をみつつ、自分も何か納得するものがあったのでした。
それにしても、弓道着姿の俊介を描いてみたい衝動に凄く駆られたのは私だけでしょうか・・・。
<内容>
新星中学飼育部の遠島寺美樹は、体調を崩した先輩に代わり金糸雀の世話をするため早出した。だが禽舎には一羽も見あたらず、扉の閂はかかったまま。美樹が疑われていることを知った親友の狩野俊介は、事件を調べ始める。好評シリーズ連作集。
<感想>
えっ何でまた画像でなくなっちゃった?(;´Д`)
俊介の学校を中心としたお話です。学校生活のことなので、勿論野上さんは一切出てきません。読み終わった後、野上さんが恋しくなってしまいました。やはり狩野俊介シリーズには野上さんがいなくっちゃ。
大人たちの中に居る時は生き生きとしているのに、同世代の子供達の輪に入ると一転して大人しくなる俊介。それをもどかしく思う美樹。今回の小説を読んで、美樹への見方が少し変わりました。何と言っても先輩に向かって「あんた・・・!」ですからね。太田氏の女キャラは比較的、バカ丁寧に女言葉を使うパターンが多いのですが、その中でも、その中だかこそ美樹の「あんた」発言は中々男らしさを感じました。すげーよ美樹。
正直言って、今回の小説は全部読みきってもあまり達成感はありませんでした。まぁ、すっきりしなかったというのが正確な言い方ですが。逆にもやもやが残ってしまったと言うか。
今までの事件でも、俊介は同じ人間が成す非道な行為に胸を痛めたり傷ついたりしてきました。しかし、それは探偵になるための、これから大人になるための経験として俊介の中に吸収されて行きました。だからこそ2作目、3作目と読者側から見ても俊介の驚くべき急成長ぶりには目を見張るものがあり、嬉々と感じるものがあったはずです。(私だけ?)
ですが、今回の学校生活を中心とした話は、成長するための経験以上に、俊介の中に深い傷を負わせてしまった部分があまりにも多すぎるのではないかと思いました。読んでいて、こちら側も胸がズキズキしてしまうシーンが沢山ありました。
正直言いますと(二度目)、個人的に松永先生があまり好きではありません。教師としては、キャラとしては「良い」人物として確立されているのでしょうが、どうしてもあの言動に許せない部分が多々あるのですよね。俊介のいつも横に居る大人が野上さんだから、という事もあるのでしょうが、必要以上に俊介に傷を負わせているような気がして少し苛々しました。でも嫌いではないですよ。基本的に俊介シリーズに嫌いなキャラはいませんから。
小学校で、事件を解決してしまった事によって虐めにあっていたという悲惨な過去を持ちながらも、尚探偵という職業を目指すのは、石神先生や野上さんに強い憧れと希望を感じたからでしょうね。でも、今思えば野上さんに里親として引き取ってもらって良かったのはないかと思います。
あのまま、前に住んでいた地域の中学に入学したら、数人か同じ小学校に通っていた生徒が居るわけですし、虐めに再び会う可能性も無いわけはないですし。今の中学でも孤立はしていますが、美樹や久野君という親友が居るだけでも随分な心の支えになってるのではないかと。そう思うと、美樹ちゃんの行動にいちいち「ムキーッ!」となってしまった自分に反省です(´ヘ`;)ごめんよ・・・。
だからこそ、ラストの「秋雨」は印象に残る話でした。
俊介が精神的に成長した決定的な瞬間を見れたような気がして、でもこの話をみつつ、自分も何か納得するものがあったのでした。
それにしても、弓道着姿の俊介を描いてみたい衝動に凄く駆られたのは私だけでしょうか・・・。
コメント