＜内容＞
十年前に両親を殺した犯人を捕えて―石神探偵事務所の野上英太郎のもとに、大金を携えた少女が訪れた。そして数日後、名門遠島寺家の当主で高級旅館「幻竜苑」の主・重義が「人殺しの嫌疑を晴らしてほしい」とやってきたのだ。少女は、重義の兄夫婦の娘で、両親が不慮の死を遂げた後、重義に引きとられていたのだったが…。野上と助手の狩野俊介が真相解明に乗り出した！人気シリーズ第二弾。
＜感想＞
狩野俊介シリーズの良い所って、大人顔負けの名推理をする俊介に、しっかりと12歳の子供らしい一面を出させている所だと思います。余りに非凡な人間ですと読者側も変な言い方ですが一線を置いてしまう所があるので。
月光亭事件から確実に成長を遂げている俊介。でも、泣き虫なのは変わらないのです。子供だからこそ、感情を押し出せると思うのです。でも、俊介の場合は今までの経験もあって諦めや自分の感情を押し殺してしまう部分が多々あるのが、何と言いますか、もう小説の世界だろうがなんだろうが俊介を思いっきり抱きしめて「もっと楽になれーーーー!!」と言ってあげたくなる衝動に駆られます。
それにしても、野上さんと俊介の、血は繋がっていないけれど家族の関係と言うのが大好きです。
そして池田さんが私は大好きだ。人間、誰しも闇を持っている。それに負けないように生きるのです・・・よね？（聞くな）
コメント